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スマートイルミネーション横浜

© Smart Illumination Yokohama executive committee

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【INTERVIEW_4】エリーパワー株式会社

スマートイルミネーション横浜のコンセプトである、「環境・省エネルギー技術とアートを融合し、新たな時代の創造的夜景を創出」を実現化し、アーティスト作品を支える心強い企業こそがエリーパワー株式会社だ。

昨年開催されたスマートイルミネーション横浜2018において、巨大な光る足(作品名:「海足」、作家名:久保寛子)を出現させるために稼働した、エリーパワー株式会社の蓄電システム「パワーイレ・スリー」。

エリーパワーはリチウムイオン電池の製造メーカーだ。ただし、家電などに内蔵されている小さな電池ではなく、それよりも大きい家庭や施設向けの蓄電池を生産している。創立は2006年と、まだ若い。

「弊社の創業者であり会長の吉田(元・住友銀行副頭取・住銀リース会長)が、当時、慶応大学で開発していた電気自動車“エリーカ”のプロジェクトを統括しており、そこで“発電して余った電力や再生可能エネルギーを無駄なく効率的に使うには、蓄電池の活用が必要”という思いに至りました。
そして吉田自身が立ち上げたというのがエリーパワーです。最初は電池の技術者なしの、たった4人だけだったんですよ」
とエリーパワー株式会社の広報部・船岡さんは説明する。大型の蓄電池が普及すれば、災害時のバックアップ電源としてのみでなく、無線を内蔵すれば電力需給調整としても活用することが可能になります。

“世の中のために必要だ”という思いで生まれた「エリーパワー」

そのため会社には「安全な電力貯蔵用リチウムイオン電池が世界を救う」という思いが根底にある。また、“安全な”というように電池の安全性にはとことんこだわっているという。実際のところリチウムイオン電池は、発煙・発火の可能性が高く、高度な生産技術が必要とされる。
そこでエリーパワーは、電池の材料からこだわり、正極材料には希少金属ではない安全性の高い材料を用い、世界で初めて国際的認証機関TÜV Rheinlandリンクアイコン(テュフ ラインランド)の安全性認証を取得。釘を刺しても過充電しても発火しない、世界トップレベルの安全性と長寿命、温度特性を実現しているのだ。
さらに、ほぼ全自動の自社生産工場を2010年に完成させ、2012年には第2工場も稼働。現在では年間140万セルの生産能力を誇っている。


「スマートイルミネーション横浜さんに協力するのは、そのコンセプトがエリーパワーにぴったりだと思ったから」(船岡さん)

イベントなどに使うクリーンで静か、そして安全な蓄電池を使いたいと、エリーパワーには、毎年、数多くのイベントのオファーがあるという。そしてスマートイルミネーション横浜には、2016年から2018年にかけて蓄電池を提供している。
最大出力1400W、蓄電容量2.5kWhの可搬型蓄電システム「パワーイレ・スリー」は、静かでクリーン、そして1日を通してアート作品への電力供給も可能ということで、展示物への電力供給に大活躍。
また、プレスルームなどで、一度に10台のスマートフォンや携帯電話を充電できるポータブル蓄電池「エリー・ワン」も好評を得ていたのだ。

同じく、昨年開催されたスマートイルミネーション横浜2018において稼働された「パワーイレ・スリー」。FUKUPOLY氏による作品「GEKKO」はベートーベンの「月光」が流れる映像作品だったが、稼働音はほぼ感じられなかった。

また、今年も昨年に引き続き、スマホなどの電源スポットとして、象の鼻テラス内にてポータブル蓄電池「エリー・ワン」が設置される。
https://www.eliiypower.co.jp/products/general/eliiyone.html


アート作品を撮影したりSNSを利用していると、スマホのバッテリーはすぐ消費されてしまう。このような充電スポットがあることは大いに助けられる。

スマートイルミネーション横浜2019に来場の際、お困りの場合は是非この「エリーワン」をお使いいただきながら、足を休めてゆっくり作品を眺めてほしい。

「電気をただ使うのではなく、再生エネルギーを考えたり、電気を大切にしているのがいいなあと思いました。また、野外でのアート作品の展示は素晴らしいものですね。ぜひとも、多くの人に体感してほしいイベントだと思います。参加できたことは誇らしく感じています」と船岡さん。

ご紹介したエリーパワーの「パワーイレ・スリー」は、今年のスマートイルミネーション横浜2019でもアート作品に多数電源としての供給稼働を予定しています。

御協力:エリーパワー株式会社
URL https://www.eliiypower.co.jp/index.html

【INTERVIEW_3】Sarita Ibnoe「TENUN TEDUH」

「TENUN TEDUH」

スマートイルミネーション横浜2019、アートプログラムのテーマは「スポーツ・からだ・エモーション」。
インドネシア出身のアーティスト、サリタ・イブノー氏は探求する「織り」の手法で、様々な材料を用い来場者との交流も共有しながら作品を作り上げる。
会期を通して作られる作品への思いを作家本人に聞いた。

来場者とともに、スクラップ生地や落下物、糸、ゴミなどを材料に、それらを輩出したまちについて語りながら作品を織る。「TENUN TEDUH」=WOVEN SHELTERとは、織り綴られたシェルターを意味し、会期終了時に完成する予定。

―展示作品における思いとは?

イブノー:「TENUN TEDUH / WOVEN SHELTER」は、織物へのメタファーとエッセンスを用いたアートワークを作ろうと模索している中、未だ完成していない作品。
私のとっての「織り」とは、瞑想的で、かつ行きつ戻りつを繰り返す行動である。
二つの街に住み、作品を制作するために行き来し、旅を私の家にしていることから、私は現在行なっている移動そのものを織りの本質としている。

ここでは「接続」と「構築」がキーワードになる。ホーム(家)/安全な場所を同時に構築する経験こそが大きなアイデアになるのだ。
この作品は、参加者と私が、スクラップ生地、見つかったオブジェクト、糸、ゴミなどを織り交ぜながら、故郷の物語を語る参加型の活動になる。
特に、震災が起こってから始まったスマートイルミネーション横浜について読んだ後、家の再建を祝う象徴化に適していると思えた。
織りが全て完了すると、安全な場所としての壁=「TENUN TEDUH / WOVEN SHELTER」が出現することとなる。

―スマートイルミに参加する意義を教えてください

イブノー:スマートイルミネーションに参加することは私にとってエキサイティングな挑戦。これまで見せてきた作品は私にとって新しい探求であり、私が主に過去行った中でも最大の作品かもしれない。

技術的なことはさておき、この機会は私に取ってよきタイミングだと思っている。横浜と私が住まうジョグジャカルタ(Yogyakarta)は、日本とジャカルタでは第二の都市というべき場所。私の実験的な織りと探求は家と国境を語るための手法である。
初めのスマートイルミネーションは場所を再構築する精神で作られていた。私はこの経緯から小さいつながりを見つけており、それらのつながりが、良きタイミングで場所に配置する存在としてのアートワークを作ると考えている。
私の作品が日本で展示されるのもはじめて!

―電力削減、省エネルギーについて、作品を通して考えられたこととは?

イブノー:私が直面する技術的な挑戦なのかも。
まず、イルミネーションとなる光を扱うことこそ、私の最初の課題だった。とはいえ、電気自体も日本と異なる。安全を考え、日本から全ての光に関するものを購入し、それらを「家」そのものに装飾するような一般的な配置で設置する計画でいる。

世界中が地球の現状を心配するなか、それぞれの国や人々が地球を救うために尽くしている。私ができることとして、私の生き方やアートを作ることから無駄を最小限に抑えようとしている。
この作品では、私は可能な限り、自宅から出たプラスティックや紙など、未使用の衣服や乾燥した廃棄物を集めて素材として使い、作品に織り込んでいる。

本来この実験的な「織り」は、最小限に抑える無駄が主な意図ではなかった。最初の目的は、私が日中に見つけた対象物を用い、それらを織って、記憶と記録をつくり出すことだった。
でも私は、我々が持っている使えるものは全て使うことこそが、作品を作る良い道筋(=方法)であると気づいたのだ。

連携プログラム9プログラムを発表!

『スマートイルミネーション横浜2019』にて、主旨に賛同した様々な企業・施設・団体とのコラボレーション企画である「連携プログラム」を象の鼻テラス、象の鼻パークで展開します!
今年は全9プログラム。老若男女にかかわらず楽しめるプログラムばかりです。
ご興味をもたれた方は、是非ご参加ください☆

★こちらからご確認いただけます★

【INTERVIEW_2】 武内満「ひかりおくり」

「ひかりおくり」

スマートイルミネーション横浜2019、アートプログラムのテーマは「スポーツ・からだ・エモーション」。昨年行われたスマートイルミネーション・アワード2018で、石井結実氏とともに最優秀賞を受賞した武内満氏が展開するのは、レーザーで横浜税関を彩る印象深くてダイナミックな作品。この展示作品について作家本人に聞いた。

体験者が投げるアクションをすることで、映されていたレーザーの光の粒が舞い上がり、税関の塔に集まって、体験者のシルエットとなる。体験者は横浜税関の一部になるような感覚が得られるのでは。

―展示作品における思いとは?

武内:もともとは、インタラクティブなコンテンツや作品を作っていて、それをつなげた作品を作りたいと思っていました。今回は、歴史的な雰囲気のある税関の建物と、新しい感じのする象の鼻テラスやパークを、レーザーの光で、時間をつなぐような作品にしたいと思っています。

―スマートイルミに参加する意義を教えてください

武内:スマートイルミネーションのアワードに、これまで2回参加しています。アワードには、消費電力に制限があって、“この光はどれだけ電力を消費しているのか”を考えるきっかけになりました。その制限があるからこそできる表現や作品があるというところで、スマートイルミネーションは面白いなあと思っています。

―電力削減、省エネルギーについて、作品を通して考えられたこととは?

武内:電力を贅沢に使うようなイベントがいっぱいある中、スマートイルミネーションは制限がある。それが地味ではなく、かえって面白いと思います。電気をほとんど使っていないのに、すごく光がきれいに見える作品がある。特色があって面白いですね。

―作品についてメッセージをお願いします

僕の作品は、体験者の動きにあわせて光が変化します。光の粒が流れるようにもなります。ちょっと動いただけで、大きな光を操るのは楽しいと思いますよ。しかも、その光が大きな税関の壁にレーザーが当たっているというのは、普通であれば、まずありません。その非日常性を楽しんでほしいですね。周りの人もビックリしたりして楽しんでいただき、みなさんの心が動いたら、いいなあと思っています。

昨年の作品はこちら… 

【INTERVIEW_1】 石井結実「痛い×アート」

「痛い×アート」

スマートイルミネーション横浜2019、アートプログラムのテーマは「スポーツ・からだ・エモーション」。昨年行われたスマートイルミネーション・アワード2018で最優秀賞を受賞した石井結実氏が手がけたのは、「からだ」と「エモーション」を実体験する、まさしくも「痛いアート作品」である。展示作品について、作家本人に聞いた。

第二の心臓と言われる足の裏を刺激する、実に健康的なアート装置。裸足になり、光る石に勇気を持って踏み出して欲しい。全身を駆け巡る痛みを通し、自身の体を再認識できるはず?

―展示作品における思いとは?

石井:実際に作品に触れてもらって、そこから何か刺激を受けてもらいたいなという作品です。 “痛い”という刺激は、 “辛い”だけではなく、逆にそれを快楽に感じる人もいるように、いろいろな感情になると思います。そこで、デコボコのマットのような上を歩いて、“痛いけど、気持ちいいなあ”という不思議な感覚を味わってもらいたいと思って作りました。

―スマートイルミに参加する意義を教えてください

石井:このフェスティバル自体が東北の大震災の後から始まったもので、そこにアートという立場から関わりあい、“電気を考える”ことに意義があると思っています。また、来場者の方にも、“電気のこと”を考えるきっかけになればいいなと思っています。

―電力削減、省エネルギーについて、作品を通して考えられたこととは?

石井:前年の私の作品(最優秀賞を受賞)は、既存の光を再利用したものでした。同じように今年も光を再利用したものです。蓄光する石を使って、日中にたまった光を夜になって発します。こうした作品を通じて、電気のことを考えるきっかけになれば嬉しいですね。

―作品についてメッセージをお願いします

石井:私は、まだ学生で、建築を学んでいます。それはスクラップ&ビルドではなくて、今ある物を、どう活用して住まうかというものです。既存のモノを生かしたい。そういう意味で、ゼロより作るという他のコンペと違って、「スマートイルミネーション」は私本来のテーマに近いと思っています。

昨年の作品はこちら…

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