スマートイルミネーション横浜2019、アートプログラムのテーマは「スポーツ・からだ・エモーション」。昨年行われたスマートイルミネーション・アワード2018で最優秀賞を受賞した石井結実氏が手がけたのは、「からだ」と「エモーション」を実体験する、まさしくも「痛いアート作品」である。展示作品について、作家本人に聞いた。
―展示作品における思いとは?
石井:実際に作品に触れてもらって、そこから何か刺激を受けてもらいたいなという作品です。 “痛い”という刺激は、 “辛い”だけではなく、逆にそれを快楽に感じる人もいるように、いろいろな感情になると思います。そこで、デコボコのマットのような上を歩いて、“痛いけど、気持ちいいなあ”という不思議な感覚を味わってもらいたいと思って作りました。
―スマートイルミに参加する意義を教えてください
石井:このフェスティバル自体が東北の大震災の後から始まったもので、そこにアートという立場から関わりあい、“電気を考える”ことに意義があると思っています。また、来場者の方にも、“電気のこと”を考えるきっかけになればいいなと思っています。
―電力削減、省エネルギーについて、作品を通して考えられたこととは?
石井:前年の私の作品(最優秀賞を受賞)は、既存の光を再利用したものでした。同じように今年も光を再利用したものです。蓄光する石を使って、日中にたまった光を夜になって発します。こうした作品を通じて、電気のことを考えるきっかけになれば嬉しいですね。
―作品についてメッセージをお願いします
石井:私は、まだ学生で、建築を学んでいます。それはスクラップ&ビルドではなくて、今ある物を、どう活用して住まうかというものです。既存のモノを生かしたい。そういう意味で、ゼロより作るという他のコンペと違って、「スマートイルミネーション」は私本来のテーマに近いと思っています。