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スマートイルミネーション横浜

© Smart Illumination Yokohama executive committee

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【INTERVIEW_3】Sarita Ibnoe「TENUN TEDUH」

「TENUN TEDUH」

スマートイルミネーション横浜2019、アートプログラムのテーマは「スポーツ・からだ・エモーション」。
インドネシア出身のアーティスト、サリタ・イブノー氏は探求する「織り」の手法で、様々な材料を用い来場者との交流も共有しながら作品を作り上げる。
会期を通して作られる作品への思いを作家本人に聞いた。

来場者とともに、スクラップ生地や落下物、糸、ゴミなどを材料に、それらを輩出したまちについて語りながら作品を織る。「TENUN TEDUH」=WOVEN SHELTERとは、織り綴られたシェルターを意味し、会期終了時に完成する予定。

―展示作品における思いとは?

イブノー:「TENUN TEDUH / WOVEN SHELTER」は、織物へのメタファーとエッセンスを用いたアートワークを作ろうと模索している中、未だ完成していない作品。
私のとっての「織り」とは、瞑想的で、かつ行きつ戻りつを繰り返す行動である。
二つの街に住み、作品を制作するために行き来し、旅を私の家にしていることから、私は現在行なっている移動そのものを織りの本質としている。

ここでは「接続」と「構築」がキーワードになる。ホーム(家)/安全な場所を同時に構築する経験こそが大きなアイデアになるのだ。
この作品は、参加者と私が、スクラップ生地、見つかったオブジェクト、糸、ゴミなどを織り交ぜながら、故郷の物語を語る参加型の活動になる。
特に、震災が起こってから始まったスマートイルミネーション横浜について読んだ後、家の再建を祝う象徴化に適していると思えた。
織りが全て完了すると、安全な場所としての壁=「TENUN TEDUH / WOVEN SHELTER」が出現することとなる。

―スマートイルミに参加する意義を教えてください

イブノー:スマートイルミネーションに参加することは私にとってエキサイティングな挑戦。これまで見せてきた作品は私にとって新しい探求であり、私が主に過去行った中でも最大の作品かもしれない。

技術的なことはさておき、この機会は私に取ってよきタイミングだと思っている。横浜と私が住まうジョグジャカルタ(Yogyakarta)は、日本とジャカルタでは第二の都市というべき場所。私の実験的な織りと探求は家と国境を語るための手法である。
初めのスマートイルミネーションは場所を再構築する精神で作られていた。私はこの経緯から小さいつながりを見つけており、それらのつながりが、良きタイミングで場所に配置する存在としてのアートワークを作ると考えている。
私の作品が日本で展示されるのもはじめて!

―電力削減、省エネルギーについて、作品を通して考えられたこととは?

イブノー:私が直面する技術的な挑戦なのかも。
まず、イルミネーションとなる光を扱うことこそ、私の最初の課題だった。とはいえ、電気自体も日本と異なる。安全を考え、日本から全ての光に関するものを購入し、それらを「家」そのものに装飾するような一般的な配置で設置する計画でいる。

世界中が地球の現状を心配するなか、それぞれの国や人々が地球を救うために尽くしている。私ができることとして、私の生き方やアートを作ることから無駄を最小限に抑えようとしている。
この作品では、私は可能な限り、自宅から出たプラスティックや紙など、未使用の衣服や乾燥した廃棄物を集めて素材として使い、作品に織り込んでいる。

本来この実験的な「織り」は、最小限に抑える無駄が主な意図ではなかった。最初の目的は、私が日中に見つけた対象物を用い、それらを織って、記憶と記録をつくり出すことだった。
でも私は、我々が持っている使えるものは全て使うことこそが、作品を作る良い道筋(=方法)であると気づいたのだ。

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